2024年01月04日
東レ、東大と妊婦の血液浄化法 共同研究
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東レ

 東レは4日、タグシクス・バイオ(東京都目黒区、古関千寿子社長)および東京大学とともに、妊娠高血圧腎症(PE:preeclampsia)に対する血液浄化治療法について共同研究を開始したと発表した。
 今後、病態・介入時期の解明を行い、PEに有効な世界初の新規治療法として2030年までの実用化を目指し、3者で共同研究を進める。

 妊娠高血圧腎症は、妊娠中に高血圧を発症し、腎臓・肝臓・脳などの臓器障害や胎児発育不全を伴う妊娠合併症で、発症率は全妊婦の約3~5%。重症になると母体や胎児に深刻な影響を及ぼすとされ、妊婦および新生児の死亡や後遺症の主な原因となる疾患。
 発症メカニズムとして、母体の血中に含まれるsFlt-1というタンパク質が原因と考えられているが、有効な治療法は見つかっていない。

 共同研究では、sFlt-1を選択的に吸着し、かつ、妊婦患者の血液成分のロスを防ぐため、高い抗血栓性を有する吸着カラムを開発する。血液を体外に循環させ、母体血中に含まれるsFlt-1をこのカラムで吸着除去する血液浄化治療法の確立を目指す。