2024年01月05日
積水化・加藤社長「円高進行、予断許さず」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:積水化学工業

 積水化学工業の加藤敬太社長は4日、新しい年、2024年を迎え、次の通り年頭所感を述べた。

■2024年を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
初めに、本年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」によって、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。余震や二次災害など予断を許さない状況が続いていますが、一日も早い復興を心よりお祈りすると同時に、積水化学グループとしてもできる限りの支援をさせていただきたいと考えています。

昨年は、3月末に長期ビジョンの最初の中期経営計画最終年度が終わり、持続的成長にドライブをかけるという狙いに対して、当社グループ全員の挑戦で過去最高のEBITDAを達成するなど稼ぐ力が一段と向上し、一定の成果があった一年でした。

その2023年度上期は全社で対前年増収増益を達成してよいスタートを切ることができ、コロナ禍で培ってきた力は本物であると示せたと考えています。下期に入り、事業ごとの業績に少し差が出てきましたが、住宅カンパニーの新築事業の苦戦を、引き続き成長ドライバーである高機能プラスチックスカンパニーと、過去最高益を狙う環境・ライフラインカンパニーおよびメディカル事業の健闘によりカバーし、年度営業利益1,000億円を十分狙えるところまで来ていると感じています。

社会課題解決に貢献し、将来大きな事業となり得るBR事業やペロブスカイト太陽電池、細胞培養ソリューション、まちづくり、海外インフラなど、中長期を見据えた仕込みも進捗しました。

我々の強みであるESG経営についても、大きく進展しました。サステナビリティ貢献製品の売上高比率は70%を超えるまでに伸長し、当社グループのESG経営は社外からも引き続き高い評価を得ています。今年は、まずはあと3カ月ある今年度をやり切って営業利益1,000億円を達成し、力強く中期経営計画の2年目に臨みたいと思います。

今年も当社にとっては不利となる円高の進行など予断を許さない状況は起こり得ます。長期ビジョン達成のためには、健全な危機感を持ち、一人ひとりの覚悟を持った挑戦こそが当社グループの成長の原動力であることを今一度認識し合い、各事業のポートフォリオ強化、聖域なき構造改革、高付加価値品へのシフトなどにスピード感をもって取り組み、さらに長期ビジョンを意識した仕込みや成長投資なども一段と加速させたいと考えています。激動の変化の中にこそ、当社グループの出番・成長のチャンスがあると捉え、サステナビリティ貢献製品を中心に社会課題解決に貢献し続けるよう、覚悟を持って挑戦していきます。

今年は十干十二支では「甲辰(きのえたつ)」、これまで蓄えられたものが芽を出し、姿を整えていく年だそうです。まさに、前中期経営計画から蓄えてきた力で、一段上のステージへと駆け上がる年だと思います。

その実現のために何よりも大事なのが“安全”、すべての仕事における“基本の徹底”です。そしてステークホルダーの皆様の期待に応え、信頼を裏切らない仕事を、当社グループ全員の力で積み上げていきたいと思っています。本年が皆様にとりまして、より良い飛躍の年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。