2024年01月12日
北大、水鳥のインフル感染に糖鎖重要
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学大学院 先端生命科学研究院の比能洋教授らの研究グループは11日、野生水鳥72種の卵白の大規模解析によって、水鳥の種間における酸性修飾糖鎖構造の違いを発見したと発表した。また、インフルエンザウイルスの感染率が高い水鳥種の卵白では、リン酸化ハイブリッド及び高マンノース型N -グリカンが高度に発現していることを明らかにした。

 研究グループは硫酸化及びリン酸化糖鎖の迅速解析技術による72種の水鳥卵白の解析を行った。その結果、ウイルス感染率が高い水鳥種ではリン酸化糖鎖が高度に発現していることを明らかにした。

 インフルエンザウイルスの感受性の違いを決定する因子として、ヒトとトリの間ではシアル酸という酸性糖の修飾が知られている。一方、鳥類内ではシアル酸修飾に加え、糖鎖の硫酸化修飾及びリン酸化修飾の重要性が明らかになってきた。

 今回の成果は、鳥類集団内でのインフルエンザウイルスの伝播と進化に影響を与える要因について、系統的な理解をもたらし、感染対策への重要な指標を与えるものになるといえる。
同研究成果は1月3日公開の「ACS Infectious Diseases」誌にオンライン掲載された。

(詳細)
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/240111_pr3.pdf