2024年01月24日
東レ、ステンレス鋼匹敵の高強度フィルム創出
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

 東レは24日、ステンレス鋼に匹敵する高強度のプラスチックフィルムを創出したと発表した。高分子材料の特長である軽量性・絶縁性・柔軟性を維持しながら、引張強度が最大1200 MPaと金属材料に匹敵する高強度を実現した。1月31日~2月2日に東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2024」に出展、紹介する。

 汎用エンプラの1つである超高分子量ポリエチレン(UHMW PE)は、一般に摺動性と耐摩耗性に優れ、搬送ライン、充填機械部品、ライニング材、自動車バッテリー等に使用される。
 汎用のポリエチレンと比較して分子量が10倍大きく、強度に優れる。だが、その分子量の大きさから成形加工性に課題があり、二軸延伸による高強度フィルム化は困難だった。

 だが今回、独自技術で、UHMW PEの分子鎖を二次元方向に高度に配向させたナノ構造を実現することに成功し、ステンレス鋼に匹敵する高強度フィルムを創出した。
 一般的に使用される工業用プラスチックのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムと比較すると、引張強度は2倍以上で、プラフィルムとして強度最強のアラミドフィルムと同等。耐寒性にも優れ、超電導・宇宙環境等の極低温環境でも使用可能だ。小型化・軽量性・絶縁性・柔軟性が求められる用途での放熱材料としても使用可能などの特徴も有している。