2024年01月26日
三菱ケミなど「温暖化対策に有胞子性乳酸菌」
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

 理化学研究所、北里大学、三菱ケミカルの共同研究グループは26日、熱安定性の胞子を持つ有胞子性乳酸菌の経口摂取が、暑熱条件下での動物モデルの生育阻害を抑制すること、さらにその作用機序の一端を明らかにしたと発表した。

 地球温暖化は生命への深刻な弊害をもたらすため、人命を守り畜産を管理するために暑熱ストレスを回避する方法論が必要とされる。
 
 研究グループは今回、人工的に暑熱条件を管理できる鶏飼育施設において、有胞子性乳酸菌プロバイオティクスであるワイズマニア・コアグランスの機能性を評価した。その結果、暑熱ストレス下における成長阻害が本プロバイオティクスの投与で引き起こされにくいことが明らかになった。さらに、消化器系のマルチオミクスデータを機械学習などによって分類し、暑熱ストレス下で成長に関与する構造方程式および因果構造モデルを推測することに成功した。
 
 今回研究は、地球温暖化の中での生体の恒常性の維持管理対策の一環として、腸内細菌叢の制御が重要な位置付けを持ち、有胞子性のプロバイオティクスが有効であることを期待させる成果となった。
同研究は、科学雑誌「Journal of Functional Foods」オンライン版(1月13日付)に掲載された。


<ニュースリリース参照>
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1706251222.pdf