2024年04月26日
東北大、ネオニコ系殺虫剤 ミジンコに強い毒性
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 東北大学生命科学研究科の占部城太郎教授らは25日、湖沼や水田に生息する動物プランクトン27種を対象に、ネオニコチノイド系殺虫剤のイミダクロプリドを用いて急性毒性試験を行い、ミジンコ類への影響が特に強いことを明らかにしたと発表した。

 ネオニコチノイド系農薬は効果的に害虫被害を防ぐことができ、世界中で使用されている。だがこの農薬は水に溶けやすいため、耕作地から河川や湖沼へ流出することで、そこに生息する生物に悪影響を及ぼす可能性が指摘されていた。だが動物プランクトンに対する影響調査は行われていなかった。

 検証の結果、イミダクロプリドの毒性影響は、従来の研究では注目されてこなかったケンミジンコ類に対して特に大きいことがわかった。ケンミジンコ類は、湖沼や水田の主要な動物プランクトンで、同研究から、農薬に対する水生生物への影響を理解するためには、広範な分類群を対象とした検証が不可欠であることが示された。
同研究成果は科学誌「Science of The Total Environment」(4月13日付)にオンライン公開された。

ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20240425_03web_neo.pdf