2024年06月12日
京大、琵琶湖の砂泥底から巻貝の新種発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

 京都大学理学研究科の中野隆文准教授らの研究グループは11日、古代湖の琵琶湖の砂泥底から巻貝の新種を発見したと発表した。この貝は、カワニナ属の遺伝解析と形態解析によって、カゴメカワニナSemisulcospira reticulataの分類学的位置を再定義するとともに、これまで学名がつけられていなかった新種アザイカワニナSemisulcospira nishimuraiを記載しました。
 
 の砂泥底および泥底から得られたカワニナ属の遺伝解析と形態解析によって、分類上カゴメカワニナ属2種群のSemisulcospira reticulataに定義するとともに、これまで学名がつけられていなかった、新種アザイカワニナSemisulcospira nishimuraiと記載された。アザイカワニナの和名は、分布域が近江の戦国大名である浅井氏の最大勢力と大まかに一致することに由来している。

 琵琶湖の沖合にはカゴメカワニナとアザイカワニナが暮らしている。主に成貝殻の角度や彫刻の形態、胎児殻の大きさによって他種と識別されている。今回、アザイカワニナが砂泥底から発見されたことで、琵琶湖の砂泥環境を好む種がカワニナ属の二つの種群で独立に出現していることが示された。この研究成果によって、カワニナ属の種多様性が再評価されるとともに、本属の二種群が古代湖において平行的な多様化を生じたことが示唆された。
 本研究成果は6月10日に、国際学術誌「Evolutionary Systematics」にオンライン掲載された。