2024年06月14日
東北大、菌類による倒木と森林更新への影響確認
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 次世代の樹木の芽生え(実生)が倒木上に成長して森林が更新していく「倒木更新」は、森林が持続的に維持される上で重要な仕組みの一つだが、これまで、野外観察から、菌類による倒木の腐朽における分解成分の違いが、倒木更新に影響する可能性は指摘されてきたが、実験的に検証した例はなかった。

 東北大学大学院 農学研究科の深澤遊准教授らは14日、腐朽したアカマツの倒木上に12樹種の種子を蒔き、菌類による腐朽の違いによって種子の発芽、成長、生存が影響を受けることを明らかにしたと発表した。

 この結果は、森林において倒木の分解を行う菌類が多様なほど多様な樹種の実生の倒木更新が可能であることを示唆した。森林において生物多様性が維持される仕組みの理解につながるとしている。
同研究成果は6月4日に学術誌「Ecology and Evolution」で公開された。

ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20240614_01_fungal.pdf