住友化学工業

CHEMNET TOKYO

2024年12月24日
神戸大、ジャガイモやトマトの毒を作る酵素発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:その他大学

 神戸大学大学院農学研究科の水谷正治教授らの国際共同研究グループは24日、ジャガイモやトマトに含まれる有毒成分、ステロイドグリコアルカロイド(SGA)の生合成に関わる新たな酵素の機能を明らかにしたと発表した。

 ジャガイモやトマトは、昆虫や草食動物などに食べられるのを防ぐ化学的防御として有毒成分SGAを多量に生成蓄積しているが、一方で、自らが生産する有毒物質の生成過程で植物自身を傷つけないようにしないといけない。研究チームは、未解明のセルロース合成酵素様タンパク質「GAME15」に着目し、GAME15がコレステロールにグルクロン酸を転移するように機能進化した酵素であることを発見した。

 今回研究の成果により、GAME15を足場タンパク質とした酵素タンパク質集合体による巧妙な仕組みが解明され、ジャガイモやトマトによる有毒成分SGA生合成の全貌が明らかになった。その知見を活かして、有毒成分の合成能を抑制したジャガイモやトマトの分子育種が可能になると期待できる。さらに、ジャガイモやトマトの高いステロイド生産能力を合成生物学に応用することにより、有用ステロイド化合物の新たな生産手法の可能性を示し、食品、化粧品、医薬品など多様な分野での応用が期待される。
 
ニュースリリース参照
https://www.kobe-u.ac.jp/ja/news/article/20241224-66358/





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