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2025年01月22日 |
北大調査「鳥類保全に重要な定期的な伐採・植林」 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:北海道大学 |
国立研究開発法人 森林研究・整備機構森林総合研究所と北海道大学の研究グループは21日、定期的な人工林の伐採・植林が、開けた環境を好む鳥類(開放地性種)の回復に重要な役割を果たすこと、また少量の広葉樹を人工林内に保持することが広葉樹天然林を好む鳥類(天然林性種)の保全に効果的であることを、北海道全域での繁殖期(春)と冬期の調査により明らかにしたと発表した。 農林業の発展に伴う土地利用の変化は草地や湿地、老齢林を減少させてきた。だが、生物多様性の減少傾向を増加へと反転させる国際目標「ネイチャーポジティブ」を達成するためには、管理された土地における保全活動も重要であると考えられている。 今回研究では、様々な地域や季節の鳥類の保全につながる人工林管理策を探るため、北海道各地で針葉樹人工林と天然林に生息する鳥類を調査した。その結果、10年生未満の幼齢人工林には繁殖期に開放地性鳥類が多く生息し、人工林内に少しでも広葉樹が混交すると多くの天然林性鳥類の個体数が大きく増加する、という全道で共通した傾向を明らかにした。 本研究の結果は、人工林内での保全活動が、これまでに大きく減少してきた開放地性種や天然林性種の回復に重要な役割を果たしうることを示した。 本研究成果は、2024年12月12日に「Ecological Applications」誌でオンライン公開された。 <用語の解説> ◆天然林性種 : 成熟した森林を好む種から針葉樹林を好む種(ヒガラやキクイタダキなど)を除いたもの。今回研究ではセンダイムシクイ、ヤブサメ、キビタキ、コサメビタキ、キバシリ、ゴジュウカラ、ハシブトガラ、アカゲラなど36種が対象に含まれる。 |