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2025年01月24日 |
北大、白亜紀・恐竜の「走行能力」調査 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学総合博物館の小林快次教授の研究グループは23日、白亜紀中頃(約1億2000~9300万年前)に、地球上に生息していた各種恐竜の「走行能力」について調査した結果を発表した。 この中で走行に適した特徴(後肢長比率・アークトメタターサル構造)の進化がコエルロサウルス類に属す獣脚類恐竜5系統で独立的に起きたことを明らかにした。 研究では、獣脚類恐竜104種から後肢長を解析し、走行能力に関わる後肢長比率(体サイズに対するヒザ下の相対的な長さ)が、系統間で違いがあるか、各系統でどのように変化してきたかを調べた。また、走行性の高さに関わるとされる骨同士が束ねられた足首構造・アークトメタターサルの獲得と後肢長比率との対応を調べ、このような進化が起きた時期を統計的に推定した。 その結果、走行に適した後肢長比率への変化は、ノアサウルス類とアークトメタターサルを持つコエルロサウルス類(ティラノサウルス類、オルニトミモサウルス類、アルバレスサウルス類、オヴィラプトロサウルス類、トロオドン類)、これらの獣脚類の6系統でそれぞれ独立的に起きたことが分かった。また、アークトメタターサルの進化も各系統で独立的に起きており、この進化がコエルロサウルス類に限定的であること、さらに後肢長比率の変化と足首骨格の変化には関連性があることが分かった。 また、コエルロサウルス類の5系統で走行に適した特徴の進化時期が、白亜紀中頃(約1億2000~9300万年前)に収まることが明らかになった。本研究の結果は、この期間にコエルロサウルス類の走行能力を高める選択圧があったことを示唆している。 なお、同研究成果は1月15日、「Royal Society Open Science」誌にオンライン公開された。 ニュースリリース参照 https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/250123_pr3.pdf |