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2025年02月14日 |
九大、急性肝障害の内科治療予測に新展開 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:九州大学 |
九州大学大学院の小川佳宏教授らの研究グループはこのほど、人工知能(AI)技術を臨床研究に応用した共同研究により、急性肝障害患者は治療効果によって3つの集団に分類できることを発見したと発表した。さらに、初診時の血液検査などの臨床情報を用いることにより、患者がどの集団に属するのかを予測するAIの開発にも世界で初めて成功した。これにより、どのような人が高次医療機関や移植施設への搬送が必要で、どのような人が重症化せずに回復できるのかを早期に判断することが可能となった。 研究グループは、急性肝障害および急性肝不全319例の臨床情報と採血データをAI技術で解析し、患者の健康状態をモニタリングできる数値指標を特定した。さらに、患者の病態進行パターンを6つのグループに分類した。これらの6グループはカルテ情報の確認により、自然に回復する2グループ、内科治療に反応する2グループと、しないグループ2つずつの合計3つの集団に分けられた。これを踏まえて、初診時に患者がどのグループに属するかを予測するAIモデルを開発し、治療反応性の早期予測を可能にした。 現在、急性肝障害の高次医療機関への明確な搬送基準がない中、同研究成果は、内科治療への反応性を予測した結果に基づく、最適な医療資源配分を可能にするものとなる。これにより、急性肝障害における個別化医療の確立に向けた重要な一歩となることが期待される。 本研究成果は米国の雑誌「PNAS Nexus」(25年2月6日)に掲載された。 (詳細) https://www.kyushu-u.ac.jp/f/60651/25_0210_01.pdf |