住友化学工業

CHEMNET TOKYO

2025年02月18日
北大、海洋細菌遺伝子に抗酸化作用発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学大学院の細川雅史教授(水産科学研究院)と、日本女子大学、専修大学の研究グループは18日、海洋細菌Algoriphagus属が産生するモノサイクリックカロテノイドを同定するとともに、それらが抗酸化活性や抗炎症効果を示すことを明らかにしたと発表した。

 天然の脂溶性色素であるカロテノイドは、抗酸化作用など多様な健康機能性が注目されている。カロテノイドのうち、片方の分子末端のみ環状化されたモノサイクリックカロテノイドは希少物質であり、その種類や生産者、生理活性に関する知見は十分ではなかった。
 
 今回、北海道函館市七重浜で採取した海藻から、Algoriphagus sp. Fs4株を新たに単離するとともに、同株が産生するモノサイクリックカロテノイドとして、新たに、2'-hydroxyflexixanthinを同定した。

 また、計25種のAlgoriphagus属細菌のカロテノイド組成を分析したところ、flexixanthinはいずれの細菌株でも認められること、種によっては、さらなる産物として2'-hydroxyflexixanthinなどを生合成することが分かった。また、その誘導体を用いて活性比較試験を行った結果、flexixanthinの抗酸化作用及び抗炎症効果において、分子末端部のヒドロキシ基がその機能発現に影響することが示唆された。

 今回研究成果は、未だ不明な点が多いモノサイクリックカロテノイドについて新たな知見をもたらすとともに、機能性食品素材などへの応用に向けた研究に繋がることが期待される。
 同研究成果は1月28日公開の「Food Bioscience」誌にオンライン掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/250218_pr.pdf





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