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2025年02月21日 |
北大、「リンゴ果実は外側ほど甘い」なぞを解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学大学院 農学研究院の鈴木卓特任教授らの研究グループは20日、「リンゴの果実はメロンやスイカと異なり、外側ほど甘い。なぜか」という点に着目し、その謎を解明したと発表した。研究グループは今回、果皮部に近い果肉組織でスクロース生合成活性が高いことを、安定同位体(13C)で標識した基質の外与、及び質量分析イメージング技術を用いて、初めて明らかにした。 メロンやスイカなどの果実は内部ほど甘味を強く感じるが、リンゴ果実の場合、果皮部に近いほど甘味が増す。これは、果芯部から果皮部に向かってスクロース濃度が徐々に高まるためだが、なぜこのような濃度勾配が生じるのかの原因は不明だった。 研究グループはまず、リンゴの転流形態であるソルビトールに着目し、安定同位体(13C)で標識したソルビトールを組織培養によりリンゴ果実片に取り込ませ、果肉組織中で生合成された13C含有スクロースの果実内分布を、質量分析イメージングにより可視化した。その結果、13C-スクロースの濃度が、果芯部から果皮部に向かって徐々に高まり、特に果皮近傍組織で最も高いことを確認した。この結果は、ソルビトールからヘキソースを介したスクロース生合成活性が、果芯よりも果皮側で高いことを示しており、これがリンゴ果実内部でスクロース濃度の段階的上昇(グラデーション)を生み出す要因になっていると考えられる。 なお、本研究成果は、2024年12月18日公開の「Food Chemistry」誌にオンライン掲載された。 (詳細) https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/250220_pr3.pdf |