住友化学工業

CHEMNET TOKYO

2025年03月04日
レゾナック、島津製に顕微鏡特許技術供与
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:レゾナック

 レゾナックは4日、表面分析手法の一つである走査型プローブ顕微鏡( SPM) に関する特許技術について、島津製作所との間で非独占的実施権によるライセンス契約を締結したと発表した。今後、島津が販売する走査型プローブ顕微鏡のオプションソフトウェアとして、レゾナックの同技術の搭載が検討される予定だ。

 SPM は、ナノメートルオーダーで材料表面の微細な形状を調べることができる高分解性能を有する顕微鏡で、求める性能がぴったり選べるとされる。この SPM は、カンチレバーと呼ばれる板バネの先端についた針(探針)を材料表面に近づけて、材料表面から受ける力を利用し、表面の形状を顕微鏡像として出力する。SPM の測定方法をフォースカーブモードにすると、形状に加え、凝着力や弾性率*5を顕微鏡像として出力できるが、従来技術では、鮮明な画像が得られず、データの解釈に注意が必要だった。

 レゾナックはまず、SPM フォースカーブ測定時に、探針と材料表面との間に引力が働く距離に着目し、この距離を「破断?」と定義するとともに、大量のデータを効率よく解析できる技術を見出して、容易に破断長像として出力できるようにした。破断長像では、凝着力像や弾性率像では得られない鮮明な像が得られるとともに、観測
される力が「強いか・弱いか」だけでなく「強く長いか・強く短いか」という解析ができるようになる。
 破断長は、凝着力や弾性率と同様に材料表面の特性を表す基本的な計測指標として活用できることから、同社は、2022年に特許取得した。同技術はさまざまな材料表面に適用することができる。

 島津製作所は、国内大手の分析・計測機器メーカーとして、SPM をグローバルに提供している。今回、本技術の像の鮮明さおよび汎用性が評価され、今回の契約締結となった。今後は同社が販売するSPM のオプションソフトウェアとして搭載が検討される予定だ。
 
ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1741059589.pdf





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