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CHEMNET TOKYO

2025年03月05日
北大、乳牛の皮膚消毒に亜塩素酸水活用 実証
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学大学院 獣医学研究院の市居修教授らの研究チームは4日、古河産業の研究員と共同で乳牛の手術前消毒について新たな可能性を見出したと発表した。これまで手間と時間を要していた、乳牛の皮膚消毒の効率化に成功した。

 従来、乳牛の開腹手術には手術前の毛刈り、ブラシと液体石鹸による皮膚洗浄、ヨードスクラブ、ポビドンヨードとアルコールによる消毒などといった一連の作業が必要だった。これらの作業は、術者にとって大きな負担だった。

 研究チームは今回、食品の消毒にも用いられる「亜塩素酸水」の有用性に着目した。同大北方生物園で飼育している乳牛を対象に、毛刈り、ブラシと液体石鹸を用いた皮膚洗浄後、亜塩素酸水を噴霧する(5~15分の曝露時間)という新たな消毒法を試験的に導入し、従来消毒法と比較検証した。具体的には毛刈り後3つの段階で一般細菌数、腸球菌、緑膿菌、大腸菌、ブドウ球菌属の細菌数を測定した。

 その結果、亜塩素酸水を用いた新たな消毒法は、従来法と同等の消毒効果を発揮することが明らかになった。さらに、工程数の削減で作業時間の短縮にも成功した。この成果は、亜塩素酸水が乳牛の手術前消毒において、有効かつ効率的な代替手段となり得ることを示唆しており、術者の労力軽減だけでなく、動物の拘束時間短縮にも貢献する。
 同研究成果は2月26日公開の「Frontiers in Veterinary Science」誌に掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/250304_pr.pdf





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