住友化学工業

CHEMNET TOKYO

2025年03月05日
大阪公立大など、マイコプラズマの構造解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 マイコプラズマ属細菌の一つで淡水魚の病原菌であるマイコプラズマ・モービレは、菌体の片側にある“滑走装置”を用いて宿主組織の表面にはりつき、滑るように動く滑走運動を行うが、大阪公立大学大学院の宮田真人教授(理学研究科)、東北大学多元物質科学研究所の濵口祐准教授らの共同研究グループは4日、マイコプラズマの滑走運動に必要なモーターの分子構造を世界で初めて明らかにしたと発表した。
 大阪大学のクライオ電子顕微鏡を用いて、滑走運動の装置を構成するモーター部分の分子構造を、近原子分解能で明らかにした。またモーターを構成する2つのユニットの分子構造は、それぞれ既知のATP合成酵素と類似しているものの、それらが組み合わさって前例のない複合体構造を形成していることが分かった。
 同研究成果は、ATP合成酵素とマイコプラズマの運動装置の進化についてのさらなる理解の促進と、マイコプラズマ感染症の治療薬開発の基盤知見となることが期待される。

本研究成果は2月27日に、国際学術誌「Science Advances」のオンライン速報版に掲載された。





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