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2025年03月11日 |
理研、1秒の長さを18桁で示す「原子核時計」開発へ |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:理化学研究所 |
理化学研究所は11日、「原子核時計」の開発進展を発表した。現在、最先端の原子時計の周波数精度は18桁にもなっている。だが、未知の物質であるダークマター(暗黒物質)の解明をはじめ、超ミクロ、超高速の現象を実験で扱うためには、さらなる正確さが求められる。 そこで注目しているのが「原子核時計」の開発だ。理研を中心とする研究グループはその第一歩として2024年、原子核が励起されたトリウム229(トリウム元素の同位体)の寿命の決定に成功した。 1967年以来、1秒の長さの定義には15桁の精度を持つ「セシウム原子時計」が使われてきた。今後、数年以内に予定されている1秒の再定義では、理研・香取量子計測研究室の香取秀俊 主任研究員が開発した18桁の精度を持つ「光格子時計」で、新たな基準の最有力候補となっている。理研ではすでにその先を見据えた研究として「原子核時計」の開発に挑戦している。原子核時計は、原子核そのものの遷移を利用するため、より正確な時計をつくることが可能になる。だが、そのためには、原子核が励起状態を維持する時間の長さ(寿命)を確かめる必要があるとし、さらに研究を重ねているという。 (詳細) https://www.riken.jp/pr/closeup/2025/20250310_1/index.html |