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2025年03月25日 |
有機材中の水素と重水素分布を精緻に識別 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
プラスチックや有機半導体など高機能材料の特性を精緻に制御するには、材料の構造を分子レベルで解明することが不可欠。これまで有機材料中の化学結合や分子の位置を分子レベルで特定できる技術がなかった。 東北大学多元物質科学研究所の陣内浩司教授をはじめ産総研、大阪大などの研究グループは25日、電子線による分子振動マッピング法を独自に開発し、炭素に対する水素と重水素の化学結合の違いを見分けることで、有機材料中に存在する重水素標識分子の空間分布を3nmの分解能でイメージングすることに成功したと発表した。 これにより、有機材料の精密な構造解析が可能となり、高性能かつ高機能な材料の開発が加速すると期待できる。同研究成果は3月24日に科学誌「Nature Nanotechnology」に公開された。 <用語の解説> ◆重水素 :原子核が陽子1つと中性子1つで構成される水素の安定同位体。水素に対して質量は約2倍となるものの、ほぼ同じ化学的性質を示す。同位体は原子番号が等しく、原子核の中性子数が異なる原子。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20250325_01web_nanoscale.pdf |