| 2025年04月17日 |
| 信越化と北大、脂質ナノ粒子生産装置共同開発 |
| 【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:信越化学工業、北海道大学 |
信越化学工業は17日、北海道大学と共同でマイクロ流体デバイスを部品として組み込んだ脂質ナノ粒子(LNP)の生産装置を開発したと発表した。4月から信越化学が生産し、医薬品開発ベンチャーのライラックファーマ(本社:札幌市、須佐太樹社長)が販売を担う。 LNPはCOVID-19に対するmRNAワクチンにも利用され、今後さまざまな感染症やがんワクチンなどに応用が広がると期待されている。とくに近年は、マイクロ流体デバイスを用いたLNP作製法が国内・海外で注目されている。 LNPは、脂質原料溶液と核酸原料溶液を迅速に混合してつくるが、その工程にマイクロ流体デバイスを用いることで、従来法と比べLNPの粒径を精密に制御することが可能となる。 一方、マイクロ流体デバイスを用いたLNP作製法は一度に調製できる粒子量が少なく、生産性を向上させることが課題だった。 今回、北海道大学独自のマイクロ流体デバイスである「iLiNP」と、信越化学の素材(合成石英)及び加工技術を組み合わせて、大量生産に適したマイクロ流体デバイスを開発した。さらに子会社、信越エンジニアリングの設計技術を生かして、GMP基準に準拠したLNP生産装置を開発した。 同技術の特長は、LNPの生産量を1台の装置で需要に応じて切り替えられる点にあり、個別化医療のための少量多品種のナノ医薬品からワクチンのような大量生産まで、僅かなスペースに設置した1台の装置で、異なる種類のLNPを製造することができる。将来的には、パンデミックの発生にも対応可能な基盤設備にする方針だ。 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1744863421.pdf |