| 2025年04月18日 |
| 広島大など、カエルの元祖集団、八重山で発見 |
| 【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:広島大学 |
広島大学と琉球大学、東京大学、台湾師範大学の研究グループは17日、台湾に生息するカエルの元祖と、日本の八重山諸島に棲むカエルの両種の起源となる、古い元祖集団を発見したと発表した。ただし、ミトコンドリアゲノムだけに元祖の痕跡を残した「幽霊集団」(核ゲノムに元の特徴が存在しない)であることがわかった。 複数種の元祖となる幽霊集団の発見は世界初。 スインホーハナサキガエルと八重山諸島に生息する近縁種コガタハナサキガエルの系統進化を解明するため、ミトコンドリアと核のゲノムを解析したと発表した。 ミトコンドリア遺伝子の解析では、2種の起源となる最も古い元祖集団が、台湾東部に生息することを明らかにた。しかし、その集団の核ゲノムの大部分は新しく進化した別系統の近隣集団のものと置き換わっていた。つまり、東部集団はミトコンドリアゲノムに系統的に最も古い痕跡を残すものの、当該集団本来の核ゲノムがすでに失われた幽霊集団であることを示した。 同研究は、系統的に古い元祖集団の存続の脆弱さを示した。また、種の系統進化の過程解明の難しさも明らかにした。同研究成果は4月11日に「Molecular Ecology」に掲載された。 <用語の解説> ■幽霊集団 : 細胞の中には2種類の DNAがある。1つは細胞質の小器官であるミトコンドリア内にあり、もう一つは核の中に存在する。1つの集団は本来のミトコンドリア DNA を残しながら、核 DNA の異なる集団との交雑によって置き換わり本来の特徴を失ってしまった集団を幽霊集団と呼ぶ。また、存在が推定される未発見の集団のことも幽霊集団と呼んでいる。 |