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2025年04月22日
北大、コロナ感染を抑える天然化合物発見
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学 先端生命科学研究院の門出健次教授らの研究グループは21日、香辛料などに含まれるマラバリコーンCがSARS-CoV-2(コロナウイルス)に対して抗ウイルス活性を有することを発見したと発表した。

 新型コロナウイルスの抗ウイルス薬は複数見つかっているが、作用機序はそれぞれ異なっており、とくに安全性への配慮が必要となっている。研究グループは、安全な新しい治療薬候補の開発をめざして、研究グループが保有する天然化合物ライブラリーを用い、スクリーニングを実施した。その結果、香辛料のナツメグなどに含まれるマラバリコーンCがSARS-CoV-2に対して強い抗ウイルス活性を有することを確認した。また、この化合物はアルファ、ガンマ、およびデルタ株といった変異株に対しても抗ウイルス活性を示すことを確認した。

 研究グループはさらに、同化合物の抗ウイルス作用メカニズムを解析するために、ウイルス感染細胞が正常細胞に融合(感染)する過程を可視化する評価法も確立した。この評価方法によって、同化合物はSARS-CoV-2感染細胞による膜融合を阻害しており、細胞膜上の脂質ラフトと呼ばれる領域の秩序に影響を与えることで感染を抑制していることを明らかにした。

 今後、食品に含まれる天然有機化合物によるSARS-CoV-2抗ウイルス活性を発見し、それによってヒトに安全な新規治療薬の開発が進むことが期待される。
なお、同研究成果は、2025年3月12日公開の「Scientific Reports」誌にオンライン掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/250421_pr.pdf





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