2025年05月08日
東北大、コーヒーかすから機能性成分回収
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 東北大学工学部の祖山均教授らの研究グループは8日、流動キャビテーションを用いて、コーヒー粉末からカフェ酸を抽出すると同時に、コーヒー豆の細胞壁を構成するセルロースをマイクロオーダーの繊維状に解繊できる(ほぐせる)ことを世界で初めて実証したと発表した。
 この手法は、今後、さまざまな食品廃棄物への応用が期待され、有用物質の抽出やバイオマスの高付加価値化に貢献できる可能性がある。
 コーヒー豆は年間1,000万トン以上生産され、世界中で広く消費されている。コーヒーの抽出後に大量に発生する「かす」には、抗がん剤などにも応用されるカフェ酸を含む有用物質が含まれているが、産業的に採算の取れる抽出法が確立されておらず、ほとんどが産業廃棄物として廃棄されている。
 本成果は2025年4月25日に、超音波化学分野の専門誌「Ultrasonics Sonochemistry」に掲載された。

【用語の解説】
◆キャビテーション :
 液体が高速で流れる際に、圧力が低下して気体(泡)に相変化する現象。流速の低下により気体から液体に戻る気泡の圧潰時に衝撃力が発生する。

ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2025/05/press20250508-03-coffee.html