2025年05月12日
信越化、パーソナルケア向けシリコーン製品開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:信越化学工業

 信越化学工業は12日、ケイ素化学を駆使した課題解決の一環として、新規のパーソナルケア用品向けシリコーン製品を開発し、製品ラインアップに加えたたと発表した。

 開発した「KF-6070W」と「KF-6080W」は、ジメチルシリコーンオイル(化粧品表示名称:ジメチコン)の分子構造のメチル基の一部を親水性官能基に置換したシリコーン。いずれも親水性官能基による水との高い親和性に加え、シリコーンの優れた特長である高い流動性やべたつきのない滑らかな使用感を化粧品などに付与できる。

 「KF-6070W」は水溶性のシリコーンワックスで、肌の上で滑らかに溶けて広がる使用感に特長がある。水系やO/W(Oil in Water系のヘアケア、スキンケア、ベースメイクアップ製品の感触改良剤として幅広く用いることができる。また「KF-6080W」は、O/W剤型用のシリコーン乳化剤。べたつきが少なく、滑らかな感触の処方を設計することがでっきる。室温で流動性があるため、パーソナルケア用品の製造でコールドプロセスの採用が可能となっている。

 両製品とも、高い光拡散性を有するシリコーンエラストマーゲルで、「KSG-16-SF」は高いソフトフォーカス効果、「KSG-19-PF」は軽いパウダリーな使用感を有するという特長をそれぞれもっている。いずれもパーソナルケア用品で使用されるマイクロプラスチックビーズの代替原料となり得るため、その可能性も追求していきます。

 これらの新製品は、2025年5月14~16日にパシフィコ横浜(横浜市)で開催される「第12回化粧品産業技術展」(CITE JAPAN 2025)の同社ブースで展示を予定している。

<用語の解説>
◆ O/W(Oil in Water): 水に油滴を分散させ、均一に混じり合わせた(乳化)状態。
◆剤型 :外見上の形状。パーソナルケア用品の企画・開発段階で重視される要素の一つ。
◆コールドプロセス :加熱溶解させる必要のないプロセスのこと。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1747032699.pdf