| 2025年05月12日 |
| 京大、天候に応じて花が向きを変えるメカ解明 |
| 【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学の工藤洋生態学研究センター教授らの研究グループは、晴れた日には花が上を向き、雨の日には下を向く植物について、その意義とメカニズムを解明したと発表した。 研究に用いた植物は、アブラナ科のハクサンハタザオ。白い小さな花をたくさん咲かせ、晴れた日には花が一斉に太陽の方向を向く一方で、雨の日には花が下を向く。 工藤教授らは植物がどのように、また何のために花の向きを変えるのかを明らかにするために、野外調査と操作実験、発現遺伝子の解析を行った。晴天時に花が上を向くのは、花柄(花の下の茎)が青色光の方向に伸長するためであり、上を向くことで送粉昆虫による花粉の持ち出しが促進され結実も良くなった。一方で雨天時に下を向くのは、低温や青色光が弱い条件で花柄が重力の方向に伸長するためであり、下を向くことで雨粒による花粉へのダメージを軽減していた。これらのことから、花の向きを天候に応じて変えることは植物の積極的な屈性応答であり、適応的な特性であるといえるとした。 本研究成果は5月3日に、国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載された。 |