| 2025年05月15日 |
| 阪大など、原始星の成長過程をシミュレーション観察 |
| 【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:大阪大学 |
大阪大学の髙棹真介助教(理学部)、東北大学の富田賢吾准教授、国立天文台の岩﨑一成助教らの研究グループは15日、原始星の内部構造と周囲のガス円盤、さらに磁場の影響も考慮した世界初の大規模3次元シミュレーションに成功したと発表した。これにより、生まれたばかりの赤ちゃん星(原始星)が、どのように成長するのかについての理解が大きく進展した。 原始星は、まわりを回転している原始惑星系円盤のガスを食べて成長する。このプロセスは非常に複雑だが、原始星とガス円盤の“境界領域”ではガスの密度や速度などが急激に変化するため、シミュレーションで調べることは困難。さらに、原始星が持つ強い磁場もシミュレーションを難しくしている。そのため、ガスが原始星の表面に到達する最後の瞬間は、これまで謎に包まれていた。 研究グループは、さまざまな工夫を重ねながら、太陽型星の原始星モデルを構築し、大規模シミュレーションを可能にした。その結果、原始星が原始惑星系円盤にスパイラル状の衝撃波を立てながらガスを取り込んでいくという、これまで知られていなかった成長の様子を発見した。こうしたダイナミックな現象が起きている周りで、特別ナ隕石鉱物の起源についても新たなヒントが得られた。今回研究により、星の進化や太陽系の起源に関する理解がさらに深まることが期待される。 同研究成果は、学術誌「The Astrophysical Journal」(5月14日)に掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20250515_01_protostar.pdf |