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2025年05月22日 |
北大、薬剤を2000倍濃縮 ナノカプセル作製法を確立 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学 電子科学研究所の三友秀之准教授は21日、東北大学、理化学研究所との共同研究グループにより、無機ナノ粒子を構成要素としたナノサイズの中空カプセル作製技術を開発したと発表した。 カプセルのサイズは直径100 nmほど。薬剤を内包し、標的とする疾患部位へ適切に薬剤を送達するドラッグデリバリーキャリアとしての応用が期待できる。 これまで、リポソームや高分子材料を用いた有機系キャリアは多く研究されてきたが、赤外光や磁場といった生体透過性の高い外部刺激への応答性が低いという課題があった。 今回、研究グループは、水と混和する有機溶媒とクエン酸水溶液から成る液-液相分離を活用し、その界面にナノ粒子を集積させることで、中空カプセル構造体を構築する新たな手法を確立した。構成粒子には、光に応答する金ナノ粒子や、磁場に応答する酸化鉄ナノ粒子といった機能性ナノ粒子を使用しており、外部刺激による高精度な薬剤放出の制御が期待される。 さらに研究グループは、内包物が2,000倍に濃縮されるという非常に高い内包効率も実現した。今後、光や磁場といった外部刺激による薬剤放出制御が可能な新しい無機ナノカプセル型薬剤送達キャリアとして、副作用の少ない治療法の実現に貢献すると期待できる。 なお、同研究成果は5月7日公開の「Small」誌にオンライン掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.hokudai.ac.jp/news/2025/05/2000-1.html |