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2025年05月28日 |
北大、廃棄血液から再生医療向け血小板溶解物製造 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学医学部の藤村幹教授(脳神経外科)らの研究チームは日本赤十字社などと共同で、廃棄血液から再生医療に重要な血小板溶解物の製造に成功したと発表した。 間葉系幹細胞(MSC)の増殖に有効な培養サプリメントとして、廃棄予定の白血球除去フィルターから回収した血小板と血漿を用いたヒト血小板溶解物( f-hPL )の製造に成功し、その有効性を実証した。 再生医療や細胞治療の実用化には、細胞の大量増殖が不可欠。これまでの細胞培養ではウシ胎児血清(FBS)が一般的に使用されてきたが、免疫反応や倫理的懸念、動物由来感染症のリスクなどの課題があった。f-hPLはこれに代わる有望な選択肢となるが、ヒト由来の原料確保が難しく、臨床用に十分な量を確保することが難しいとされてきた。 そこで研究グループは、血液製剤の製造過程で用いられる白血球除去フィルターに着目し、フィルターに残存する血小板と血漿成分を回収・加工することで、有効性・安全性の高いf-hPLの製造法を確立した。これにより、一つのフィルターから3.5×10の10乗の血小板が回収可能(平均回収率37.1%)となったほか、最適なタンパク濃度(27mg/mL)で作製されたf-hPLは、市販FBSの4倍のMSC増殖能を発揮することも明らかになった。 なお、同研究成果は「Stem Cell Research & Therapy(Springer Nature)」(4月23日)にオンライン掲載された。 <用語の解説> ◆ 間葉系幹細胞(MSC) :Mesenchymal Stem Cellの略。骨髄、脂肪、臍帯などに存在する幹細胞で、骨・軟骨・脂肪・筋肉など多様な細胞に分化可能な多分化能を持つ。免疫調整機能や組織修復能力に優れており、再生医療や免疫疾患治療への応用が進められている。 ニュースリリース参照 https://www.hokudai.ac.jp/news/2025/05/post-1892.html |