| 2025年05月29日 |
| 北大、イチゴの味の違いを分析「見える化」 |
| 【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学農学部の鈴木卓特任教授らの研究グループは、イチゴの糖分などを分析することで「味の違い」を見える化したと発表した。定量的質量分析イメージング(MALDI-TOF q-MSI)技術を用いて、イチゴの糖(ヘキソース及びスクロース)、有機酸(クエン酸及びリンゴ酸)、ビタミンC(アスコルビン酸)含量の果実内分布を可視化した。イチゴ6品種の果実を材料に成分の特徴を調べた。 研究グループは材料間の比較が困難だったため、隣接する組織切片を用いた定量分析データを加味してイメージング画像を再構築し、各材料を比較した。 その結果、品種を問わずヘキソースは果托の髄部(果芯)に多く、クエン酸は皮層部(果実の表層)に高濃度で分布することが分かった。 一方、スクロース、リンゴ酸及びビタミンCの分布様式は、品種ごとに異なっていた。 食味に影響する各種成分の果実内分布様式を視覚的かつ定量的に明らかにした例はこれまでになく、今後イチゴの良食味果実を着生する系統選抜のツールとして、MALDI-TOF q-MSIの活用が期待される。 なお、本研究成果は4月2日公開の「Journal of Food Composition and Analysis」誌にオンライン掲載された。 <用語の解説> ◆定量的質量分析イメージング : MALDI-TOF q-MSI … マトリクス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型定量的質量分析イメージングのこと。 ニュースリリース参照 https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/250527_pr4.pdf |