2025年06月02日
鳴門教育大「親の子への保護行動卵の形を変化」
【カテゴリー】:ファインケミカル
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 鳴門教育大学(徳島県鳴門市)大学院の工藤慎一准教授らの研究チームは,,昆虫綱半翅目ツノカメムシ科の多数の種を比較した研究によって「卵塊を体で覆う姿勢で外敵から防衛するメス親の行動により,卵塊をコンパクトにする細長い形の卵が進化した」ことを明らかにしたと発表した。
 これは「産卵後の親の保護行動が卵の形の進化に影響する」ことを示す無脊椎動物では初めての研究成果となる。ツノカメムシ科の一部の種では、メス親が葉上に産み付けた卵塊を体で覆う姿勢で保護し、アリ類などの敵から防衛する。この保護姿勢ではメス親の体下からはみ出る卵塊周縁部の卵の捕食リスクが高くなるため、卵塊面積が小さくなる方向に選択が働いていると考えられる。その結果「卵が細長くなる」進化か促されると予測される。
 研究チームはこの仮設を、ツノカメムシ科の系統樹を利用した多数の種と比較することで検証した。
 同研究成果は進化学の国際誌「Biological journal of the Linnean Society」(5月27日)のオンライン版で発表された。
 
 ニュースリリース参照
 https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/250530_pr.pdf