| 2025年06月20日 |
| 北大、ナノカプセルでミトコンドリア/ゲノム編集 |
| 【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学薬学研究院の山田勇磨教授らの研究グループは20日、ミトコンドリア標的型ナノカプセルを用いて、ミトコンドリアDNA(mtDNA)のゲノム編集に成功したと発表した。 ミトコンドリアDNAの変異は、様々な難治性疾患の原因となるが、その二重膜構造がゲノム編集装置の導入を困難にしてきた。今回研究で、独自開発したナノカプセル複合体を搭載し、哺乳類細胞のミトコンドリア内へ直接送り込むことに初めて成功した。 研究グループはまずマイクロ流体デバイスを用いてナノカプセルを調製し、均一かつ再現性の高いナノ粒子製剤を作成した。次に、このナノカプセルをミトコンドリア変異細胞モデルに適用し、DNA内の特定変異部位のゲノム特異的切断を実現した。さらに、ヒト細胞(HeLa細胞)でも同様の成功を確認した。 同研究成果は、ミトコンドリア遺伝子疾患の根治的治療法開発に貢献し、安全かつ効果的なゲノム編集技術の臨床応用に向けた重要な一歩となる。 なお、同研究成果は6月19日公開の「Scientific Reports」誌にオンライン掲載された。 (詳細) https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/250620_pr.pdf |