2025年06月27日
レゾナック、次世代半導体でパルスフォージと提携
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【関連企業・団体】:レゾナック

 レゾナックは27日、米 PulseForge(パルスフォージ)社と、次世代半導体パッケージ向け光?離プロセスに関する戦略的提携に合意したと発表した。この技術は半導体デバイスの製造工程(前工程)や半導体パッケージング工程(後工程)で、ウエハ等をガラスなどのキャリアに一時的に固定するプロセスに関するもので、レゾナックの仮固定フィルムと、PulseForge の光照射システムを組み合わせることで、半導体パッケージの高い歩留まりと生産性を実現する。

 両社は、2026年内の量産プロセス導入を目標に提携を加速し、業界最高クラスのコスト効率を目指す。
 AI(人工知能)向けなどの次世代半導体パッケージは、2.5Dや3Dといった複雑な構造のため、その製造プロセスには、歩留まりと生産性の向上が強く求められる。仮固定材は、ウエハやチップをガラスなどのキャリアに一時的に接着し、さまざまな環境下で実施される加工プロセスを経た後、ウエハやパッケージとともにキャリアから剥離される。このため、仮固定材には、あらゆる加工プロセスへ適合することに加えて、残った仮固定材を容易に除去できることが求められる。

 PulseForge は、独自の高いエネルギーを出力できる光照射システム、およびガラスキャリアを保有しています。これにより、ウエハやパッケージに熱や物理的な負荷をかけることなく、短時間でキャリアから仮固定材を剥離できる。「すす」のような異物も発生せず、環境負荷の低減に貢献する。一般的なレーザー照射による剥離と比較して、高い歩留まりと生産性を実現し、コストの低減に貢献する。

レゾナックは、このPulseForge の光照射システムを用いた光剥離プロセスに適した仮固定フィルムを開発した。
フィルムは、膜厚均一性に優れるほか、厚さ20 μmの超薄型ウエハにも対応している。また、本フィルムは、ウエハやパッケージから容易に除去できるため、洗浄プロセスを最小限に抑えることが可能だ。

 レゾナックと PulseForge は、今回提携により、アジア、北米およびヨーロッパにおける顧客対応、マーケティング活動を共同で実施する。また、技術面では、プロセスの統合、材料の適合性確保、本技術のグローバル展開支援で、共創していく方針だ。
 
ニュースリリース参照
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1750996580.pdf