| 2025年06月30日 |
| 京大・研究「高齢期に始めた楽器練習の効果」 |
| 【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学大学院総合生存学院の積山薫教授らのグループは30日、高齢期(平均年齢73歳)に始めた楽器練習を継続することが、4年後の認知機能、脳構造、脳機能の加齢による低下を防ぐことを示したと発表した。 研究グループは、健常高齢者が初心者として4か月楽器練習に取り組むことで認知・脳機能が向上する、という研究結果を2020年に発表した。 今回さらに、最初の介入研究終了から3年以上経過した時点で、これらの参加者を再招集し、楽器練習を継続していた「継続群」と他の趣味に移行した「中止群」を比較してみた。 その結果、4年前に比べて中止群ではワーキングメモリ成績が低下し、被殻という脳部位が萎縮し、小脳機能の低下なども起きていたのに対して、継続群ではそのような低下・萎縮は見られなかった。 これほど長期にわたって高齢期の楽器練習の効果を調べた実証研究は、本研究が初めて。 同研究成果は6月17日に、国際学術誌「Imaging Neuroscience」にオンライン掲載された。 <用語の解説> ◆ワーキングメモリ : 一時的に情報を保持しなから、その情報を処理・操作する脳の機能のこと。会話、読み書き、計算、買い物、料理など、日常生活に情報を保持しながら処理するワーキングメモリの機能は不可欠。だが加齢による影響を受けやすく、若い時に比べると機能の低下は一般的。 |