| 2025年07月01日 |
| 北大、能登半島沖地震の地震波を可視化 |
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北海道大学の吉澤和範教授(理学研究院)らの研究グループは1日、世界各地に展開されたグローバル地震観測網(Global Seismographic Network GSN)で記録された地震波データをもとに、24年1月1日に発生した能登半島地震の地震波の放射過程を調べ、データを採取したと発表した。解析には、「バックプロジェクション法」と呼ばれる手法を用い、複数の周波数帯域において、地震波(P波)が放射された場所を時間ごとに可視化した。 その結果、能登半島北東端付近の震源での地震発生から、約44秒間で4段階のプロセスを経て、能登半島内陸側と北東の海域側の2方向に破壊が広がり、それぞれの領域から放たれた地震波の周波数が異なることが明らかになった。 能登半島の内陸側の破壊からは主に低周波帯のP波が放射された一方、北東沖の破壊では、高周波成分を含み、特に、断層面の分岐点や傾斜方向が変化する場所付近では、より高い周波数のP波が放射される様子が見て取れる。これらは、複雑な断層形状を持つ複数の断層面にまたがる破壊進展の影響を反映していると考えられる。 このような地震波の周波数に見られる違いは、断層面形状の複雑さや、破壊の速さとその変化、地下の流体等とも関係し、過去の大地震(2011年の東北地震や16年熊本地震)でも観測されている。今回の研究は、複雑な断層構造が関わる内陸地震への理解を一層深めることにつながると期待できる。 なお、同研究の成果は6月20日公開の「Earth and Planetary Science Letters」誌にオンライン掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.hokudai.ac.jp/news/2025/07/2024pd.html |