2025年07月02日

三洋化成、EV駆動ユニット向けに新添加剤

【カテゴリー】：新製品/新技術 【関連企業・団体】：三洋化成

三洋化成工業は2日、電気自動車（EV）の駆動ユニット「E-Axle（イーアクスル）」向けに、耐摩耗・耐焼き付きポリマー添加剤「アクルーブ NS-100」（商品名）を開発したと発表した。 　 　EV向け潤滑油（E-フルード）の低粘度化に伴う油膜の薄化や摩耗・焼き付きリスクの増大といった課題に対応し、優れた耐摩耗性および耐焼き付き性を発揮する。さらに、耐銅腐食性や電気絶縁性、酸化安定性といったE-フルードに求められる多面的な性能も兼ね備えており、E-Axleの高耐久化とEVの航続距離延伸・電費向上に大きく貢献する ■開発の内容 　新開発の｛アクルーブ NS-100」は、従来品「アクルーブ」シリーズの技術を活かし、金属表面への吸着性を新たに付与した独自設計を採用。これによって以下の特長を実現した。 （1）優れた油膜形成能と耐摩耗性・耐焼き付き性 　・側鎖に導入した吸着官能基により、低粘度でも十分な油膜厚を形成。 　・ポリマー成分として2重量%の少量添加で従来のE-フルードと比較して最大約25％の最大非焼き付き荷重向上を実現。 　・摩耗や焼き付きによる駆動ユニットの故障リスクを低減し、ギヤ摺動部の高効率化・長寿命化に貢献。 　・リン化合物など他の添加剤との併用で、耐摩耗性・耐焼き付き性のさらなる向上も可能。 （2） E-フルードに求められる必要な性能を具備 　・最適化した有機ポリマー構造により、耐銅腐食性や電気絶縁性、酸化安定性など、E-フルードに必要な性能を備えている。 　・銅板腐食試験、体積抵抗率測定、加速酸化試験等により、従来品と同等以上の性能を確認。 ■今後の展開 　「アクルーブ NS-100」は、国内外の潤滑油メーカーの実機評価で高い耐摩耗性と信頼性が認められ、すでに一部大手ユーザーの間で採用が進んでいる。今後も高性能化・技術革新に取り組むとともに、電動化が進む各種モビリティや産業機械分野への展開に注力していく方針だ。 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1751422263.pdf