2025年07月04日

北大、新たなタンパク質のカルボキシル化発見

【カテゴリー】：ファインケミカル 【関連企業・団体】：北海道大学

北海道大学遺伝子病制御研究所の岡崎朋彦准教授らの研究グループは4日、理化学研究所との共同研究により、抗ウイルス応答の鍵となるタンパク質MAVS（ミトコンドリア抗ウイルスシグナル伝達タンパク質）が、細胞質においてビタミンK依存性のカルボキシル化（特定のアミノ酸にカルボキシル基が付加される修飾）を受けることを明らかにしたと発表した。 　従来、カルボキシル化は小胞体内腔または細胞外のタンパク質に限定された修飾とされてきたが、今回研究では、小胞体膜貫通酵素 GGCX（γ-グルタミルカルボキシラーゼ）が膜トポロジーを反転させることで、細胞質側で MAVS のカルボキシル化を可能にするという、新たな分子機構を発見した。 　この修飾は、MAVSがインターフェロン応答を強化し、ウイルスごと自殺するアポトーシスを抑制する「スイッチ」として機能し、ウイルス感染に対する細胞の防御力を高めるこよが示された。さらに、ビタミンKの欠乏や、GGCXを阻害する抗凝固薬ワルファリンの投与によって、マウスのウイルス感受性が上昇することが確認され、ビタミン K の栄養状態と抗ウイルス免疫の関連性が新たに明らかになった。同研究成果は7月4日公開のScience誌に掲載された。 　 ニュースリリース参照 https://www.hokudai.ac.jp/news/2025/07/ggcxk.html