2025年07月09日
広島大、小惑星リュウグウから「予想外の鉱物」
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 広島大学を中心とする研究チームは9日、小惑星リュウグウから回収された粒子の中から、これまで予想されていなかった鉱物「ジャーフィシャー鉱(djerfisherite)」を世界で初めて発見したと発表した。
 ジャーフィシャー鉱は、カリウムを含む鉄ニッケルの硫化鉱物で、これまでに高温・還元的な環境で形成されるエンスタタイトコンドライトやオーブライト隕石からしか見つかっておらず、リュウグウからは未報告の鉱物。
 研究チームは、リュウグウから採取された粒子を電子顕微鏡で詳しく観察し同鉱物を発見した。
 ジャーフィシャー鉱がリュウグウに存在する理由として、次の2つが考えられるという。
(1)外部由来説:別の隕石(エンスタタイトコンドライトやオーブライト)の破片 がリュウグウの母天体に取り込まれた。
(2)内部生成説:リュウグウの内部に一部だけ高温で還元的、かつカリウムに富む流体環境が存在し、そこで生成された。
 現在のところ、この鉱物の起源を特定するための同位体分析などのデータは得られていないが、今回の発見は、リュウグウの内部が一様な環境ではなく、化学的に複雑な構造を持っていた可能性を示唆する重要な成果になる、としている。
 同研究成果は国際学術誌「 Meteoritics & Planetary Science 」( 5月28日付 )に掲載された。