| 2025年07月10日 |
| 京大、世界初・葉の尾状先端の発生機構 解明 |
| 【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学工学研究科の井上康博教授らの研究グループは9日、葉の鋭い尾状先端がどのように形成されるのかという未解明の課題に挑み、中国原産の落葉高木ナンキンハゼ(Triadica sebifera)をモデルに葉の発生過程を顕微鏡観察および数値シミュレーションによって解析したと発表した。 同研究により、葉の先端部分では細胞分裂の方向が主に縦方向に偏り、葉の基部では分裂方向がランダムになるという、「二領域性細胞分裂角度パターン」が、葉の先端の形成に直接的に関与していることを世界で初めて実証した。さらに、こうした細胞レベルでの分裂角度の制御が、葉の多様な形態に重要な役割を果たしている可能性を示唆した。 本成果は、植物の葉形態形成の新たな原理の解明につながるとともに、今後は農作物や観賞植物の形態設計、さらには植物発生学や進化生物学への応用展開も期待される。 本研究成果は7月5日に、国際学術誌「The Plant Journal」にオンライン掲載された。 <用語の解説> ◆ナンキンハゼ : ナンキンハゼ(学名:Triadica sebifera)は、中国原産の落葉高木で、日本を含むアジア各地や北米でも街路樹や観賞用として広く植栽されている。樹高は 10 メートル以上に達することもあり、特徴的な葉の形態や美しい紅葉、種子から採れる蝋質が利用されることでも知られている。今回研究では、葉形態のモデル植物に選び、実験的観察やシミュレーションに用いた。 (詳細) https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2025-07/web_2507_Mochizuki-62a9d5bd08fb407a8c427ac6b1c3cbe8.pdf |