| 2025年07月11日 |
| 九大、触媒ナノ粒子の電荷のゆらぎ可視化 |
| 【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:九州大学 |
九州大学の麻生亮太郎准教授(工学研究院)をはじめ大阪大学、日立製作所などの研究グループは11日、「触媒ナノ触媒の電荷のゆらぎをとらえ、直接観測することに成功したと発表した。 金属ナノ粒子触媒は、持続可能なエネルギー利用や脱炭素社会の実現に重要な材料だが、実際の反応環境下でのナノスケールでの挙動についての理解はこれまで不十分だった。 研究グループは今回、高感度の電子線ホログラフィーと環境制御型透過電子顕微鏡法を組み合わせ、実環境を模擬したガス雰囲気中で、酸化セリウム(CeO2)に付着した金(Au)ナノ粒子触媒の表面構造と、帯電状態の変化を可視化することに成功した。観察の結果、酸素ガス導入時にAuナノ粒子表面が乱れ、負帯電が正帯電側へ変化することを発見した。 この変化は、ガスの導入と除去により可逆的に起こることから、表面構造と帯電状態の制御が可能であることを実証し、触媒設計の新たな指針として期待できる。 同研究成果は、触媒表面における構造変化と帯電状態の関係を実時間・実空間で評価する、新たな手法を提示し、次世代高性能触媒の設計への応用に貢献すると期待できる。今後は、さらに複雑な反応系や複数ガス環境下での動的挙動の解明が見込まれる。 ニュースリリース参照 https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/1292 |