2025年08月07日

富士フと堀場製、遺伝子導入装置を共同開発

【カテゴリー】：行政/団体 【関連企業・団体】：富士フイルム

富士フイルムと堀場製作所（本社：京都市、足立正之社長）は7日、遺伝子治療薬の生産性を向上させる遺伝子導入装置を共同開発したと発表した。富士フイルムは、遺伝子治療薬の製造プロセスで細胞に遺伝子の導効率を高め、遺伝子治療薬の生産性を従来比約100倍に向上させる業界初の連続エレクトロポレーション技術を確立した。堀場製作所が実装を担い、2026年以降の発売を目指す。 　遺伝子治療薬とは、病気の原因となる遺伝子の問題を修正するために、外部から遺伝子を体内に入れて治療するバイオ医薬品のこと。これまでに有効な治療法が確立されていない難病などを治療し得る技術として世界的に大きな期待が寄せられている。 　細胞・遺伝子治療の市場は2030年まで年率約30％の成長が見込まれているが、実用化にあたっては製造プロセスに対する技術的なハードルが高く、研究開発にかかるコストの大きさなども課題となっている。 　こうした中で両社はこのほど、遺伝子治療薬の生産性向上および製造コスト低減に寄与する同装置を共同で開発した。市場投入後は、堀場製作所が自社のネットワークを通じて、需要が特に高い欧米を中心に販売を推進する。 ＜用語の解説＞ ◆エレクトロポレーション技術とは： 　制御された電圧により、細胞の膜にごく小さな穴をあけ、遺伝子を直接注入する技術。細胞への遺伝子導入を高効率化しやすく、遺伝子治療薬の生産性向上および製造コストの低減が期待できる。 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1754534807.pdf