| 2025年08月28日 |
| 北大、8種のクジラ類の腸内メタゲノム解析成功 |
| 【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学大学院の早川卓志助教らの研究グループは28日、北海道沿岸に漂着した8種のクジラ類の腸管内容物のメタゲノム解析によって、腸内細菌の組成や機能を網羅的に世界で初めて明らかにしたと発表した。 分析したハクジラ類の中でも、マッコウクジラとコマッコウは、脅威を感じると「綱火(つなび)」と呼ばれる墨状の暗赤褐色の便を排泄して身を隠すことが知られている。 腸内細菌の解析の結果、マッコウクジラとコマッコウの結腸から、綱火色素生成に関与する可能性のある重金属代謝関連の遺伝子が検出された。 研究グループは、この現象は有毒な重金属を多く含むクジラの腸内容物を腸内細菌が毒性軽減処理する共生的な仕組みの副産物であると仮説を立てている。クジラの消化生理と腸内細菌との間の相互作用の副産物として、マッコウクジラ上科の防御行動を生み出したという興味深い仮説となる。今後の実証的な研究が期待される。 同研究成果は8月8日公開の生物学の専門誌「Ecology and Evolution」誌にオンライン掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.hokudai.ac.jp/news/2025/08/8-10.html |