| 2025年09月04日 |
| 東北大、次世代型セラミックスを低温焼結 |
| 【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学工学研究科の高村仁教授らのグループは3日、東芝エネルギーシステムズとの共同研究により、焼結助剤としてCuOを数%添加するだけでその焼結温度が1000℃程度まで低下する機構を解明したと発表した。 セラミックス電解質を用いる固体酸化物セルは、700℃近傍で作動する燃料電池・水素製造デバイスとして期待されている。特に、BaZrO3系プロトン伝導体は、作動温度をさらに400~600℃に下げられることや、効率を高められる観点で注目されている。しかしBaZrO3の緻密な焼結体を得るために、通常は1600℃程度の高温が必要であり、製造コストが高くなる一因となっていた。 研究グループは今回、数%の酸化銅(CuO)添加により難焼結性ジルコン酸バリウム(BaZrO3)の焼結温度を従来の1600℃から1000℃程度まで低下できる機構を解明した。 銅(Cu)の格子間位置固溶に伴ってバリウム(Ba)化合物が生成され、その液相が低温焼結に重要な役割を担うことを見出した。次世代型のプロトン伝導性固体酸化物セルの製造コスト低減への貢献が期待される。 同研究成果は、英国王立化学会の学術誌 Journal of Materials Chemistry A (8月19日)に掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2025/09/press20250903-02-proton.html |