2025年09月29日
国際農研、アジアイネとアフリカイネ雑種障壁克服
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:北海道大学

 国際農研と北海道大学の共同研究グループは、「アジアイネとアフリカイネの雑種障壁を克服し、稔性雑種の育成手法を確立」したと発表した。両方のイネのゲノムをほぼ同じ割合で持つ稔性種間雑種を安定的に育成する新手法を開発した。
 雑種障壁を4倍体化によって一時的に軽減した後、もう一度 2倍体に戻すことにより、両種の中間的な稔性雑種が育成できることを実証した。
 得られた雑種はアフリカイネ由来の耐病性・環境耐性など有用形質の導入資源として利用が期待できる。
 研究グループは今回、4倍体化と2段階の花粉培養を組み合わせることで、両種の中間的な遺伝構成を持ちながら種子稔性を確保した種間雑種を安定的に育成できることを初めて実証した。
 今後は、得られた雑種材料の形質評価と有用遺伝子の特定を進め、アジアイネとアフリカイネの長所を併せ持つ新たな育種戦略への展開が期待される。
 同研究成果は、国際科学専門誌「Theoretical and Applied Genetics」オンライン版(6月27日)にオープンアクセスで掲載された。

<用語の解説>
◆栽培種 :人類が長い時間をかけて選抜し、改良してきた植物の品種のことを指す。自然環境に自生している原種は野生種と呼ぶ。アジアイネとアフリカイネは、アジアおよびアフリカで、それぞれ異なる野生種から選抜され、栽培種となった。
◆雑種障壁 :異なる種(しゅ)の植物同士を交配した場合に、その雑種の種子が得られなかったり、雑種植物がうまく育たない場合があり、その現象の総称をいう。