2025年10月08日
東北大、火山灰と植物プランクトン関係調査
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 東北大学、名古屋大学、明治大学などの研究グループは8日、2020年6~7月に活発化した小笠原諸島・西之島の噴火が、約130 km離れた小笠原諸島・聟島周辺における植物プランクトンの増加に寄与した可能性を示したと発表した。
 衛星データ(ひまわり8号)の時系列解析と、海流に基づく粒子追跡シミュレーションを組み合わせた結果、噴火で放出された火山灰が海流で北東側へ運ばれ、約6日後に聟島周辺へ到達したことが示唆された。さらに、衛星クロロフィルa濃度(Chl-a)のデータ等を解析した結果、この火山灰が海の栄養源としてはたらき、同海域で植物プランクトンが一時的に増加した可能性があることが判明した。
 火山灰は鉄などの栄養物質を含んでおり、これが海に供給されると、植物プランクトンの成長を促す可能性がある。貧栄養な小笠原諸島周辺海域でも噴火由来の栄養が遠隔海域まで届き、生態系と海の生産力を広域的に押し上げ得ることが示唆された。
 今回の研究成果は、栄養が乏しい海域でも、噴火由来の栄養が遠隔海域の生産力に作用し得ることを示唆するもので、海洋生態系変動の理解に資する知見といえる。