2025年10月15日
レゾナック、曲げ強度1.4倍の磁性封止材開発
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 レゾナックは15日、曲げ強度が同社従来品比 1.4 倍に向上した磁性封止材を開発したと発表した。
 スマートフォンなどの機器に搭載されるインダクタ用の材料で、衝撃や湿度などによるインダクタの機能低下を抑制し、機器の信頼性向上に貢献する性能をもつ。2026年の量産開始を予定。
 開発には、独自技術である最先端の量子化学計算に基づく反応解析を活用した。磁性封止材中の樹脂と磁性粉の接合メカニズムを解析し、従来比3 分の1の期間で開発、市場投入までのスピードを高めた。

 近年、AI(人工知能)や 5G(第5世代移動通信システム)、ADAS(先進運転支援システム)などの技術が急速に普及、拡大し、スマートフォンから xEV(電動車)まで、あらゆる機器で、信号のノイズ除去や電圧の制御など、より複雑な機能が求められている。これに伴い、インダクタの需要が拡大し、磁性封止材の需要も増加している。また、インダクタに対する性能要求も高まり、磁性封止材の信頼性が製品全体の品質に直結するようになっている。

 電源回路に用いられるインダクタには、主に導線がコイル状に巻かれた巻き線インダクタが使われる。巻き線インダクタは、巻き線を樹脂と磁性粉から構成される磁性封止材で成型するが、樹脂と磁性粉の界面で強度が保てず、実装後、外力が加わった際に磁性封止材が破壊して不具合を招くなどのケースも生じている。そのため、磁性封止材に対しては、樹脂と磁性粉の接合強度の向上は不可避だった。

 レゾナックは、課題解決のため、カップリング剤(添加剤)に着目した。だが、カップリング剤は種類が多く、全てを実験で評価すると、時間もコストもかかる。そこで、量子化学計算に基づく高度な反応解析により、磁性粉のコーティングと樹脂の接合に対するカップリング剤の影響を解明し、本課題解決に最適なカップリング剤を探索、選定した。

 その結果、樹脂と磁性粉の界面での接合力が向上し、従来のカップリング剤を添加した場合に比べて、曲げ強度が1.4倍に向上した磁性封止材を開発した。ここで得た技術は、今後、金属の種類にかかわらず、金属と樹脂が接合する複合体への応用と展開が期待できる。
 
ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1760496036.pdf