| 2025年10月17日 |
| 九大、「思い出を選んで残す」メカニズム解明 |
| 【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:九州大学 |
九州大学の増田隆博教授(生態学)と理化学研究所の共同研究グループは16日、「強い印象のある出来事はよく覚えている」「繰り返したことは忘れにくい」といった身近な現象について、その背後にある脳の仕組みが、神経細胞ではなく、その隙間を埋めるアストロサイトという意外な細胞によって支えられていることを発見したと発表した。 共同研究グループは今回、アストロサイトというグリア細胞の一種が、強い感情を伴う体験を、その後数日間にわたって分子レベルの「痕跡」として残し、2回目の体験時にそれを記憶として選び取り定着させる「安定化スイッチ」として働くことを初めて明らかにした。 感情と記憶の結び付きは、うつやストレス障害など多くの精神疾患と関係がある。今回明らかにした仕組みは、「記憶を和らげる」あるいは「選んで残す」といった治療に応用できる可能性があり、医療や社会への波及効果も期待できる。 同研究成果は、科学雑誌「Nature」オンライン版(10月15日付)に掲載された。 <用語の解説> ◆アストロサイト:グリア細胞の一種で、100年以上前の顕微鏡技術で星型(アストロ)の細胞(サイト)に見えたことから命名された。脳組織の恒常性や代謝機能の調節も担う。 ◆グリア細胞:脳の中に存在する神経細胞以外の細胞。神経伝達の調節や神経細胞の保護、ダメージを受けた細胞の除去などを担う、脳の健全性を保つ上で不可欠な細胞。 ニュースリリース参照 https://www.kyushu-u.ac.jp/f/63616/25_1016_01.pdf |