2025年11月05日
北大、環状リポペプチドの高効率合成法開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学薬学部の脇本敏幸教授らの研究グループは4日、国立感染症研究所との共同研究により、非リボソームペプチド環化酵素を利用した環状リポペプチドの効率的な化学―酵素的合成法を開発したと発表した。

 大環状骨格と脂肪側鎖を併せもつ環状リポペプチドは重要な抗菌化合物群だが、化学構造が複雑なため構造多様性に富むライブラリー構築は困難だった。

 今回研究で、ペプチド主鎖両末端を結合するhead-to-tail型の非リボソームペプチド環化酵素が、基質設計の工夫によりhead-to-side chain型のラリアット型環状ペプチド合成に転用可能であること示した。
 
 さらに酵素反応と位置選択的アシル化反応を連続的に実施することで、様々な配列や環サイズの環状リポペプチドの迅速な合成・評価が可能になった。

 本手法により合成した複数の新規環状リポペプチドが非結核性抗酸菌に対して増殖を50%阻害した。天然物生合成酵素は、進化の過程で自然が生み出した洗練された物質変換の仕組みであり、これを有機合成化学にうまく組み込むアプローチは、将来の有用物質創成に大きく貢献すると期待される。
なお、同研究成果は11月4日公開の「Nature Chemistry」誌にオンライン掲載された。