2025年11月10日
極地研「南極氷床の融解が更なる融解呼ぶ」
【カテゴリー】:行政/団体
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 国立極地研究所の菅沼悠介教授をはじめ、産総研、北海道大学など14の大学・研究機関による研究グループは10日、9000年前に起きた南極沿岸の堆積物の分析と数値シミュレーションから、南極氷床の融解がさらなる融解を呼び、それが南極氷床の急速な縮小を引き起こしたことを解明したと発表した。
 
 この時期に東南極沿岸で地域的な海面上昇が生じていたことは分かっており、海面上昇と深層水流入が重なって大規模な南極氷床融解が引き起こされたと考えられる。

さらに、気候と海洋のモデルシミュレーションにより、ロス棚氷など他の地域で生じた氷床融解に伴って放出された融け水が南極海に広がり、その結果として深層水流入が強化された可能性が示された。

 とくに注目されるのは、南極氷床融解による融け水の広がりが、さらに別の地域での融解を促す氷床融解の連鎖、つまり「ティッピング・カスケード(Tipping Cascade)」現象が存在する可能性を示したこと。今回の研究結果は、南極氷床の大規模融解メカニズムの解明に貢献するだけでなく、将来の南極氷床融解や海面上昇の予測精度の向上にも極めて重要なデータを提供するものとなる。
 同成果は11月7日に「Nature Geoscience」誌に掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/251110_pr.pdf