2025年11月26日
九大、植物遺伝子の種を超えた共通性解明
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 九州大学理学研究院の佐竹暁子教授らの研究グループは25日、九州北部に生育するブナ科の樹木4種を対象に、2年間にわたり葉と芽の遺伝子の発現を調査した結果、植物がどのように季節の変化に合わせて遺伝子の働きを調節しているか、また種間でどれだけ共通・多様化しているかを解明したと発表した。
 
 ブナ課の4種を対象に季節に伴う遺伝子の発現パターンを分析した。その結果、冬に機能する遺伝子は発現レベルで保存されやすく、春から秋に働く遺伝子は多様化しやすいことを発見した。この成果は、植物の季節応答の進化プロセスの解明や、季節変動による生態系変化の予測に役立つと期待される。
 
 遺伝子の発現を調べるこの手法は、「分子フェノロジー」と呼ばれ、季節に伴う遺伝子の発現パターンを可視化できる新しい方法とされる。研究グループは、ブナ科2種のゲノムを新規に解読し、オルソログを同定して分析した結果、種間で1対1対応可能な11749遺伝子のうち約半数が季節に応じて1年周期の発現変動を示すことを明らかにした。

 さらに、これら季節的な発現変動を示す遺伝子について詳細に解析した結果、12月から2月にかけての冬季に発現する遺伝子はストレス応答や低温応答に関わり、発現するタイミングが種を超えて保存されていることをつかんだ。一方、春から秋にかけての暖かい季節に発現する遺伝子は、その発現タイミングに種ごとに違いが見られ、開花・展葉時期の多様性を反映していることが分かった。
 これらの研究成果は、英国の科学雑誌「eLife」に2025年11月25日に掲載された。
 
ニュースリリース参照
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/1358