2025年11月28日
九大、スマホの遊びすぎ防止効果8万人で検証
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:九州大学

 近年、スマートフォンゲームの長時間プレイの健康への影響が社会問題化しているが、自然に遊びすぎを抑えられる仕組みについては、明確な手法が見つかっていなかった。

 九州大学の研究グループは「ゲームに数秒の待ち時間(ロード遅延)を挿入する」「画面をグレースケール化する」といったシンプルなデザイン変更が、ユーザーの遊びすぎを抑える効果を持つと発表した。特に両者を組み合わせた場合、1日の平均プレイ時間が最大30.8%、継続率が最大40.4%低下することが示された。

 同大の中村優吾助教らの研究チームは28日、世界的に人気のスマホゲーム「Flying Gorilla」を用い、84,325名のプレイヤーを対象に1か月間の大規模実験を行った。その結果、グレースケール画面と10秒の待ち時間を組み合わせた条件が最も強い抑制効果を示した。
 
 さらに、こうした仕組みをゲームそのもののデザインに内蔵することで、より自然で持続的な遊び方を実現できることが示唆された。従来のスマホ依存対策の多くは、OSや外部アプリによる利用制限に頼っており、ゲーム体験と乖離した制御となるため、十分な効果が得られなかった。

 同研究の成果は、ゲーム内インタラクションの工夫によってユーザー体験を損なわずに自然な離脱を促す、新たなデザイン原則を提示している。開発者にとっては、「遊びやすさ」と「遊びすぎ防止」を両立させる健全なゲームデザインの実現に向けて、有望な方向性といえる。

 今回の発見は、ゲーム依存という世界的な健康課題に対する予防策として有効なだけでなく、スマホアプリの「使いすぎを抑えるデザイン」への応用も期待できる。強制的ではなく、「やさしいブレーキ」を初めに組み込むことで、ユーザーが無理なく健康的な利用習慣を維持できる仕組みの実現につながる。

(詳細)
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/1368